もっと知りたい健康保険
医療費支払いのしくみ
健康保険に加入している方が 医者にかかると、保険医療機関(病院や診療所)はその医療費を1ヵ月ごとにまとめて保険者(健康保険組合等)に請求するのが本来のしくみです。ただし、全国にある病院が個々に請求していたのでは、病院も保険者も事務が煩雑になってしまいます。
そこで、医療費の審査や支払は、審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金)を通して行うしくみになっています。
保険医療機関は、医療費の診療報酬明細書(レセプトといいます)を審査支払機関に提出し、審査支払機関は、回ってきたレセプトをチェックし、保険者に請求します。
保険者からの支払いも審査支払機関に行い、審査支払機関から各病院や診療所に支払われることになります。
高額療養費や一部負担還元金などの支払いにお時間をいただくのは、医療費の請求が社会保険診療報酬支払基金を経由して健保組合に届く流れになっているためです。
医療費支払いの流れ
減額査定
医療機関窓口で支払った自己負担額について医療費を返還請求できるしくみです。
減額査定とは
医療機関で保険証を使用し診察を受けたとき、みなさんの年齢に応じた自己負担額を窓口で支払い、残りの医療費は健康保険組合が負担します。医療機関は、健康保険組合の負担する医療費を、診療報酬明細書(レセプト)に基づき社会保険診療報酬支払基金等の審査支払基金を通じて健康保険組合へ請求します。審査支払基金は、診療報酬明細書(レセプト)の記載内容に誤りがないか、保険診療ルールに適合しているかなどを審査し、適合していないと判断された場合には、医療機関から健康保険組合への請求額が減額されます。これを「減額査定」といいます。しかし、みなさんが医療機関窓口で支払った自己負担額は、多く支払ったままです。
健康保険組合では、厚生労働省が示す「窓口での自己負担額に対し、1万円以上の減額が判明したもの」を基準とした対象者へ減額査定があったことをお知らせします。
減額査定のお知らせ
健康保険組合のホームページ「ケンポマイポータル」から「医療費通知」を開き、その中の「診療区分給付種別」欄に「丸通」(「丸通入院」等)(以下「丸通マーク」と言う)の文字が表示されている場合は、その診療が減額査定された診療となります。これはみなさんが医療機関へ医療費の返還の申し出をする足がかりにしていただくためのものです。丸通マークがあった場合は、ご自身が「医療費のお知らせ」を医療機関へ持参し、直接、申し出され、ご相談されることにより、窓口で支払った自己負担額の一部が返還される場合があります。ただし、これは、みなさんと医療機関との相談となり、健康保険組合が介入することはできません。また、診療内容によって正当な医療行為であると査定された場合は、返還されない場合もありますのでご注意下さい。
減額査定された場合の具体例
窓口の自己負担額が3割の方で、総医療費20万円が減額査定により15万円になった場合
- 1. 被保険者等は医療機関へ自己負担額3割の6万円を支払う
- 2. 医療機関は審査支払基金へ7割の14万円を請求する
- 3. 審査支払基金は内容審査して総医療費を15万円に減額査定した金額を健保へ請求
- 4. 健保は審査支払基金へ総医療費15万円の7割10万5千円を支払う
- 5. 審査支払基金は医療機関等へ総医療費15万円の7割10万5千円を支払う
- 6. 健保は“窓口での自己負担額に対し1万円以上の減額が判明したもの”を基準に対象者へ「医療費のお知らせ」に“丸通”(減額査定)を表示してお知らせ
- 7. 被保険者等は医療機関へ「医療費のお知らせ」に基づき返還の申出をする
- 8. 医療機関が認めた場合に、過払い分が返還される